編集日誌

2006-10-17(Tue): ノーベル平和賞に思う学術資源の充実ぶり

2006年のノーベル平和賞はバングラデシュのグラミン銀行と設立者のムハマド・ユヌスさんだった。グラミン銀行に関心を持って調べてみると、

・マイクロクレジット・グラミン(村の)銀行(高田一樹さん)

http://www.geocities.jp/li025960/home/topics/g01.html

・坪井ひろみ「グラミン銀行における借り手集団の相互信頼関係:ネットワーク分析」(『アジア経済』43-9、2002)【PDF】

http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Ajia/pdf/2002_09/article.pdf

といったリソースがみつかる。日本語のインターネット環境ではまだまだ学術資源が乏しいという声をときに耳にするが、10年前を思えば進境著しい。

2006-10-11(Wed): 読了『グーグル・アマゾン化する社会』(森健、光文社新書、2006年)

『グーグル・アマゾン化する社会』(森健、光文社新書、2006年)を読み終える。GoogleやAmazonをやみくもに讃えるのでもなく、同時に一方的にこきおろすのでもなく、落ち着いたトーンで書名通り『グーグル・アマゾン化する社会』の実態と課題を描き出している。余談になるが、この書名は本書のなかでも言及されている『フラット化する社会』(トーマス・フリードマン著/伏見威蕃訳、日本経済新聞社、2006年)を意識したものだろう。一見、ベストセラーの模倣にみえるかもしれない。しかし、読み通してみると、本書のタイトルはこの『グーグル・アマゾン化する社会』しかなかったことがよくわかる。『フラット化する社会』で挙げられた課題やそこに通底するトーマス・フリードマンの問題意識を森健さんがいかに深く受けとめ、自分自身の問題関心に重ね合わせたかがうかがえる。余談ついでに正直にいうと、これまで著者の森健さんの文章、特にIT系を論じた文章にはとっつきにくさを感じたいたのだが、本書でそのイメージは完全に塗り替えられた。

さて、本書へのコメントにはもう少し日数をかけたいが、まだ読んでいないという方に向けて参考となるコメントを幾つか残しておきたい。

まず、森健さんが自分のブログで述べている

2006-10-12(Thu): 専門図書館協議会特別セミナー「ウェブで広がる図書館サービスの可能性 ?Web2.0時代に向けて」

専門図書館協議会特別セミナーで「ウェブで広がる図書館サービスの可能性 ?Web2.0時代に向けて」と題して講演。初めてお目にかかる方が多く、それだけをもっても有意義な時間。長期未更新のままとなっている「リンク集-専門図書館」に手を入れなければいけないと痛感。

専門図書館協議会と接点を持つことは初めてだったが、一つ気づかされたのは一口に専門図書館とくくっても、公共図書館や大学図書館という括りとは異なるということ。専門図書館は館ごとに組織の形態と取り扱うジャンルが大きく異なる。企業内に置かれた専門図書館から財団法人として運営される専門図書館など、運営形態や組織原理がまったく異なる館が多数存在する。サービスの主たる対象も社員、その分野の研究者や実務家、一般の市民まで実に幅広い。そして、主題とするテーマも異なる。これだけ多様な図書館を専門図書館という切り口だけでまとめあげていくのは大変なことだろう。だが、同時にこの多様性こそが公共図書館や大学図書館にはない可能性を秘めているのかもしれない。

・専門図書館協議会特別セミナー「ウェブで広がる図書館サービスの可能性 ?Web2.0時代に向けて」

2006-10-13(Fri): 二村一夫さん、二木麻里さん、本間善夫さんと会食

小著『これからホームページをつくる研究者のために』の出版のお祝いということで、学会参加のために東京にお出でになられた本間善夫さんを迎え、二村一夫さん、二木麻里さんらと会食。濃密な時間のなかで様々な話題が出て楽しいひととき。

・二村一夫著作集(二村一夫さん)

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/nk/

・ARIADNE(二木麻里さん)

http://ariadne.jp/

・生活環境化学の部屋(本間善夫さん)

http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/

・『これからホームページをつくる研究者のために』(岡本真、築地書館、2006年、2940円)

2006-10-14(Sat): 省庁系の研究助成

以前新聞で読んだ記憶があるが、中央省庁が実施する研究助成は約30あるという。科学研究費補助金や科学技術振興調整費の他にどんな研究助成があるのだろう。厚生労働科学研究費補助金(旧:厚生科学研究費補助金)や廃棄物処理等科学研究費補助金が思いつくが30には到底及ばない。他の研究助成をご存知の方、教えてください。

・日本学術振興会 - 科学研究費補助金

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/

・文部科学省 - 科学研究費補助金

http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm

・厚生労働省 - 厚生労働科学研究費補助金(旧:厚生科学研究費補助金)

2006-10-15(Sun): 歴史的図書館用品を探して

図書館用品の大手業者にキハラ株式会社という企業がある。そのキハラ株式会社が日本図書館協会に協力して、「歴史的図書館用品の調査・収集」に取り組んでいる。たとえば、

戦前・戦後(昭和40年頃まで)の図書館家具と用品カタログ

間宮商店またはジャパンライブラリービューローの図書館用品

古野式カード謄写印刷機

学校図書館で使用していた入館者の数取機(図書館員の自作のもの)

セリン(Se-lin)ラベル作成機

秋岡式冊子式図書目録簿

といったものを特に探しているという。心当たりがある方、ぜひ協力してあげてほしい。

・歴史的図書館用品の調査・収集

http://www.kihara-lib.co.jp/history/

・キハラ株式会社

2006-10-10(Tue): これが決定版!本当に「強い大学」

「週刊東洋経済」2006年10月14日特大号は特集「これが決定版!本当に「強い大学」」。就職後の稼ぎでランキングの1位に母校の名前が挙がっているが、まさかねえ?と思いつつ記事を読むと、ああやっぱりね、という調査手法の技があった。

さて、そんな下世話な話をどうでもよく、この特集に東京大学総長・小宮山宏さんのインタビューが載っている。とにかく歯切れのよい語り口がすごい。

グーグルが大学になるなら、やればいい。大学を潰せばいい。

(中略)

グーグルと大学のアーカイビングは全然違う。

といった発言が飛び出している。

・週刊東洋経済

http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/

・東京大学 - 総長室から

2006-10-09(Mon): 政治の一貫性 ?前知事のウェブ発信の削除と保存

10月8日(日)の朝日新聞によれば、

今月に入り、県のウェブサイトから、田中前知事時代の広報や記者会見録のほか、「脱ダム宣言」などの文章が次々と削除されている。

(「朝日新聞」2006年10月8日朝刊)

という。調べてみると、「脱ダム宣言」や「脱・記者クラブ宣言」は削除はされていないものの別のURLに移動している。だが、記者会見の記録は一切削除されているようだ。先日話題にした「安倍内閣メールマガジン、創刊準備号を配信」(2006-10-05(Thu)の編集日誌)とはまた別の形で考えさせられてしまう。

知事が変わろうと、県政は続く。もちろん、見直される案件もあれば継続される案件もある。だが、廃止・継続のいずれであれ、「脱ダム宣言」や「脱・記者クラブ宣言」が長野県政として行なわれてきた事実は変わらない。それをわかりにくく片隅に追いやることが適切だろうか。

2006-10-08(Sun): プレゼンテーションの技法 ?専門図書館協議会特別セミナーの準備に関連して

10月12日(木)に専門図書館協議会特別セミナーで「ウェブで広がる図書館サービスの可能性 ?Web2.0時代に向けて」と題した報告を行うので、その準備をしている。公私両面で発表・報告・講演を行う際はPower Pointを使って資料をつくっているのだが、なかなか満足な出来にならない。特にアニメーションの使い方が難しい。ごく最近になって、ようやくアニメーションの設定方法を覚えたのだが、聞き手の視点に有効な方法というのがなかなかみえてこない。各所でいろいろな方々の講演を聴いていると、Power Pointの使い方が非常にうまい方がいる。私の経験では、弁護士の岡村久道さんがとにかくうまい印象がある。さすがに話しなれていらっしゃるということもあるが、要所要所でアニメーションをうまく使い聴衆の集中力を持続させている。さてさて、こういうノウハウを蓄積しておけないものだろうか。

・専門図書館協議会特別セミナー「ウェブで広がる図書館サービスの可能性 ?Web2.0時代に向けて」(於・日本図書館協会会館、2006-10-12)

2006-10-07(Sat): 笠羽晴夫さんの「デジタルアーカイブ百景」

解説のレビューはARGを待とう

「デジタルアーカイブ百景:いま大学図書館では」(図書館員もどきのひとり言、2006-07-22)

http://liblog.seesaa.net/article/21403082.html

ということなので、コメントしておこう。なお、笠羽さんの連載については、2006-08-18(Fri)の編集日誌「デジタルアーカイブとしての大学図書館」でもふれている。