編集日誌

2006-02-14(Tue): 「国立国会図書館の役割について」html版の公開を讃える

2006-02-10の編集日誌で言及した国立国会図書館の公表文書「国立国会図書館の役割について」が当初のPDF形式に加え、html形式でも公開されるようになった。この対応は本当にすばらしい。これで紹介やリンクがいっそうしやすくなり、せっかく公表した「国立国会図書館の役割について」もより広く知られることだろう。

国立国会図書館の独立行政法人化案については、明日あたりに一度まとめの記事を書こうと思う。

・2006-02-10の編集日誌

http://d.hatena.ne.jp/arg/20060215/1139939199

・国立国会図書館の役割について

http://www.ndl.go.jp/jp/information/press.html#060210

・国立国会図書館の役割について【PDF】

2006-02-08(Wed): 会ってみて考えが変わるということ ?常世田良さん

公共図書館が猫も杓子もという勢いで、ビジネス支援に取り組んでいることには長い間冷ややかだった。生き残りのために公共図書館がただいたずらに取り組んでいるという印象があるからだ。だが、先日パネリストとした参加した国立国会図書館の公開シンポジウム「デジタル時代における図書館の変革 ?課題と展望?」(2006-01-26(Thu)の編集日誌参照)で常世田良さん(日本図書館協会事務次長)のお話をうかがって少し考えが変わった。

常世田良さんは、ビジネス支援だけではなく、医療情報の提供や法律情報の提供を公共図書館が担っていく重要性を指摘していた。なるほど、そこまで領域が広がるのであれば、公共図書館の役割として論じることができるかもしれない。ただし、一方で法的な支援については、法務省と日本弁護士連合会(日弁連)が日本司法支援センター(法テラス)の設置をすでに法制化し、2006年度中に稼動する可能性が高い。また、医療分野では、がんを語る有志の会のような患者会によって日本がん情報センターの構想が進められている。それでは公共図書館はこのような動きとどれだけ共同歩調がとれるのだろうか。いままさにとろうとしているのだろうか、とっているのだろうか。次はそこを知りたい。

2006-02-09(Thu): 編集者が憧れだった頃 ?岩波書店の社員採用をみて

岩波書店が中途を含めた社員採用を行なっている。学生の頃は編集者を志望し、70社を受験したことを思い出す。就職活動をしたのは1996年から1997年。新規学卒者にとっては求人市場がどん底の時代だった。早いものでもう10年も経っている。ちなみに、岩波書店はあっさりと書類選考で不合格となり、23歳の若者としては相当なショックであった。今回の募集には応募資格が合致しているが、いまさらその気にはならないことに、10年という時間が過ぎたことを実感する。

ところで久しぶりに岩波書店のサイトをみて思ったのだが、たとえば『思想』のような硬派な雑誌には、大学を卒業するとすっかり縁遠くなってしまう。関心がないわけではないのだが、大学図書館に立ち寄ることがなくなると、物理的に雑誌を手にする機会が限られてしまうのだ。せめて毎号の目次を配信してくれるメールマガジンがあれば、状況はずいぶんと異なるのだが、岩波書店は実現してくれないだろうか。今回中途採用で入社されるであろう方々には、ぜひこういった読ませる工夫、買わせる工夫を心がけてほしい。

・岩波書店 - 2007年度定期採用(経験者含む)社員募集要項

2006-02-10(Fri): 国立国会図書館の意見表明 ?「国立国会図書館の役割について」

2006-02-02の編集日誌でふれた「国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に」の件で、国立国会図書館が「国立国会図書館の役割について」という記者発表を行い、即日その内容が同館のサイトで公開された。「国立国会図書館の役割について」の内容については、追ってコメントしたいが、まずは、報道と報道を受けて広がった反響に対して国立国会図書館が見解を表明したことはすばらしい。そして、その資料をインターネットで広く公開したことがさらにすばらしい。

ただし、欲をいえば「国立国会図書館の役割について」はPDF形式だけではなく、リンクしやすいhtmlで掲載してほしかった。近日中にhtml版が公開されることを期待しよう。

・2006-02-02の編集日誌

http://d.hatena.ne.jp/arg/20060204/1139046886

・国立国会図書館の役割について【PDF】

2006-02-11(Sat): 広がる図書館コンソーシアムの世界 ?横浜市内大学図書館コンソーシアム

全然気がつかなかったが、横浜市内大学図書館コンソーシアムというネットワークができている。横浜市内の14大学で結成された横浜市内大学間学術・教育交流協議会が母体となっているようだ。昨年末に「コンソーシアムを生かす図書館サイトへ?TAC加盟5大学図書館のサイト分析から」と題して、第30回多摩アカデミックコンソーシアム図書館員交流会(2005-12-09、於・東京経済大学)で講演する際に、図書館コンソーシアムの現状を調べたのだが、この横浜市内大学図書館コンソーシアムの存在には気がつかなかった。まだまだ修行が足りない……。

・横浜市内大学図書館コンソーシアム

http://library.shodai.ac.jp/Consortium/Consortium.htm

・横浜市内大学間学術・教育交流協議会

2006-02-12(Sun): 組織の歴史をつむぐ ?KEK史料室

高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「News@KEK」に「研究所の歴史をつむぐ ?史料室の活動?」という記事が掲載されている。記事を通して、同機構にはKEK史料室が置かれていることを知る。機関の歴史を保存する仕事にあたる部署が設けられていることに感動する。ぜひ実りあるものへと育ててほしい。

・「研究所の歴史をつむぐ ?史料室の活動?」

http://www.kek.jp/newskek/2006/janfeb/archives.html

・KEK史料室

http://www-conf.kek.jp/archives_office/index-j.html

・高エネルギー加速器研究機構(KEK)

2006-02-13(Mon): 英語発信の日本関係リソースを拾いたい ?The Mansfield Asian Opinion Poll Database

国際交流基金日米センターの「知的交流プロジェクトレポート」10に、「モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団のアジア世論調査データベース(AOPD)地域理解のための情報リソース」という記事が載っている。このような英語で発信されているが日本語話者にとって重要なリソースは数多くある。しかし、その情報がなかなか伝わってこない。さて、どうすればよいか。

ところで、モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団は、マンスフィールド元駐日大使夫妻によって設けられた財団という。日本の在外大使経験者で、このような財団を設けた人物はいるのだろうか。

・「モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団のアジア世論調査データベース(AOPD)地域理解のための情報リソース」

http://www.jpf.go.jp/j/cgp_j/global/project/in010.html

・国際交流基金日米センター

2006-02-07(Tue): 追悼・都留重人さん

経済学者の都留重人さんが亡くなった。93歳。

さて、著名な研究者が亡くなったときに、なかば習慣的に故人に関する情報がどれだけインターネットで公開されているかを調べている。故・都留さんの場合はどうだろうか。

まずみつかったのが、一橋大学経済研究所資料室による「2004年度『都留重人名誉教授』関連事業」というページだ。同研究所に設けられているらしいメモリアルコーナーの画像が多数掲載されている。また、同資料室のサイトからはリンクされていないようだが、資料室サイト内の検索機能を使うと、「都留重人先生略歴」というページがみつかった。故・都留さんは戦後まもなく同研究所の初代所長に、後には学長に就任するなど、一橋大学と縁の深かった方であり、同大学のサイトにこれらのコンテンツがあることはむしろ当然かもしれない。ぜひ今後充実させていってほしい。

2006-02-06(Mon): 労働図書館の小さな工夫

労働政策研究・研修機構(JILPT)が「労働図書館(資料センター)所蔵雑誌等の買取・交換について」という公告を出している(2006-02-01)。同機構にある労働図書館(資料センター)で不要となった洋雑誌、和雑誌、書籍の買取や交換を募集するものだ。申し込みには特に資格はなく、だれでも直接申し込める。

小さなことのように思えるが、注目したい取り組みだ。独立行政法人化されたとはいえ、同機構は経常収益の95%を運営費交付金、いわば国からの業務委託費でまかなっている(2004年度)。つまり税金によって運営されており、所蔵する書籍や雑誌の購入費や管理費も一定程度は税金によってまかなわれている。いってみれば、書籍や雑誌は国民の税金で備えられた公の財産である。それを処分する際に、今回のように

2006-02-05(Sun): 友がつなぐ故人の仕事 ?『アメリカ人であるとはどういうことか』刊行

『アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)という翻訳者が刊行された。この本は故・辻内鏡人さんが研究していたもので、今回辻内さんの友人である古茂田宏さんの手で翻訳された。辻内さんをご記憶の方はどれくらいいるだろうか。2000年の12月、自動車による傷害致死事件で亡くなったアメリカ史の研究者である。当時は一橋大学の教員だった。今回の翻訳は、残されたゼミ生が辻内さんの遺志を継いで発案し、それを古茂田さんが請け負ったという。

ごく一瞬ではあったが、故人にお世話になり大いに励まされた者として、翻訳書の刊行を喜びたい。本自体、非常に刺激的なタイトルであり、9・11事件以降のアメリカのあり方を考えるうえで最適なテキストの一つという評判を聞く。一人でも多くの方が手にしてほしい。

・『アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)