編集日誌

2005-07-30(Sat):

財団法人大阪府男女共同参画推進財団が運営するドーンセンター(大阪府立女性総合センター)で、「女性のキャリア形成支援サポーターとなるために ?情報スペシャリスト養成ゼミナール?」という連続セミナーが開かれる。しかし、掲げられた内容の立派さに見劣りしないだけの実力がドーンセンターにあるのだろうか。かねてから指摘しているが、同館のメールマガジン「ドーンセンターメールマガジン」には、「このメールマガジンは(財)大阪府男女共同参画推進財団の著作物です。引用、転載にあたっては当財団までご連絡ください」との一文がある。引用は著作権法に認められた権利であり、一定の要件を満たす限り、連絡する義務はない。それにも関わらず、このような記述がある。また、この連続セミナーのページでは講師紹介の欄で半角カタカナを使用している。半角カタカナは文字化けして表示されてしまうので、基本的にはインターネットでは使わないものだ。こういった基礎的なポイントを自らが抑えられていないのに、どうして情報スペシャリストの養成に関わることができるのだろうか。情報スペシャリストとして、まず養成すべきは自館のスタッフである。

・女性のキャリア形成支援サポーターとなるために ?情報スペシャリスト養成ゼミナール?

2005-07-29(Fri):

その世界では有名な人工衛星追跡プログラムが日本語に対応したそうだ。横浜こども科学館の山田陽志郎さんが、使い方を紹介してくれている。

・Orbitron の使い方

http://astro.ysc.go.jp/orbitron.html

・山田陽志郎

http://astro.ysc.go.jp/staff/yamada.html

2005-07-28(Thu):

紀伊国屋書店が、ブログを使って専門家による書評サイトを開設するという。さて、どうなるか。個人が自分のサイトで書評を書く試みは長くあり、1997年頃には筑波大学の大学院生だった米澤直記さんが、当時としてはかなり広範な書評のリンク集をつくっていたことを思い出す。ちなみに米澤さんは、現在は神奈川大学の教員となっている。その後は、ビーケーワンなどのオンライン書店でエディターを起用した書評が試みられたが、試行錯誤の末、頓挫している状態にあるといえるだろう。最近のブログの登場により、再び個人による書評が盛んになりつつあるようだが、さて、企業によるブログ形式の書評は根づくだろうか。

・紀伊国屋書店、専門家による書評 Blog サイトを開設(Japan.internet.com)

http://japan.internet.com/busnews/20050728/5.html

2005-07-27(Wed):

神奈川大学図書館で特別展「旧制横浜専門学校?戦時下の学生?」が開催されている(2005-07-06?2005-10-28)。旧制横浜専門学校は、神奈川大学の前身。さて、同展のサイトだが、スライドショー形式で展示風景を紹介しており、一工夫が光る。また、同図書館のサイトは最近(2005-05)にリニューアルしたようだが、すべてのページに蔵書検索(OPAC)の検索キーワードの入力欄と検索ボタンが設けられている。外部の有償データベースの購入にばかり力を入れている大学図書館が多いように感じられるなか、神奈川大学図書館のこのような改善はすばらしい。

・特別展「旧制横浜専門学校?戦時下の学生?」

http://www.kanagawa-u.ac.jp/lib/info/exhibition/

・神奈川大学図書館

http://www.kanagawa-u.ac.jp/lib/

2005-07-26(Tue):

サイマル・インターナショナルが、日本の主要大学200校の英文サイトの調査を行った結果、半数以上の大学でスペルミスや句読点ミス、また国際電話番号の不記載があったという。

・日本の主要大学の英文ウェブサイトの半数にスペルミスや句読点ミス ?英文ウェブサイト調査結果について?(2005-07-01)

http://www.simul.co.jp/corp/news/20050701.html

2005-07-25(Mon):

社会学辞典的なデータベース「社辞郎」の構想というのをみつけた。こういう提案を目にしたのは久しぶりだ。21世紀COEプログラムの一環として取り組んでいるようだが、ぜひ実現させていってほしい。報告類を読んだうえで一つだけ感想を述べておくと、すでにあるインターネット上の知の共有の仕組みに対する過小評価には危惧を覚える。たとえば、2004年度研究活動報告「社会学データベース「社辞郎」に関する研究会の報告」によれば、研究会の討論で「 現在のWikipediaにはグランドデザインが欠如している。単に、基本的方針に賛同する者は誰でも記事を投稿したり編集したりできるというのでは、知のアナーキズムに陥りかねない」という意見が交わされている。「グランドデザイン」という言葉が何を意味しているのか、どのような意味で用いているのか、そもそもそれが定かではないが、グランドデザインがない、知のアナーキズムに陥るという指摘は、いささか拙速ではないだろか。あるいはWikipediaの現状に対する観察不足ではないだろうか。

・「文化的な多様性を進行形で投影する 社会学者の夢「社辞郎」」

2005-07-24(Sun):

ふれるのが遅くなってしまったが、先月末に元文部事務次官・木田宏さんが83歳で亡くなった。個人的には、教育雑誌の編集者をしていたときの執筆者の一人である。だが、なによりも教育委員を公選制から任命制へと変更した地方教育行政法に関与するなど、戦後の教育史の生き証人であっただけに残念な訃報。だが、岐阜女子大学デジタルミュージアムで、木田宏教育資料アーカイブスの構築が進められている。木田さんが故人となったいまは、故人に代わって戦後教育史の断面を語ってくれるよう、このアーカイブスが一日も早く完成することを期待したい。

・木田宏教育資料アーカイブス

http://dac.gijodai.ac.jp/vm/kida/

・岐阜女子大学デジタルミュージアム

http://dac.gijodai.ac.jp/

2005-07-23(Sat):

前日に引き続き、個人サイトを開設する研究者の新著を一冊紹介しよう。川島堅二さんが学位論文をまとめた『F・シュライアマハーにおける弁証法的思考の形成』を刊行している。川島堅二さんはシュライアマハーに関する研究論文を発表する一方で、シュライアマハーのドイツ語文献の要約を自分のサイトで紹介してきた方。今回、著書の出版という形でこれまでの研究が公刊されたことはうれしい限りだ。

・川島堅二の宗教学研究室

http://www1.ttv.ne.jp/~kawashima/

・『F・シュライアマハーにおける弁証法的思考の形成』(川島堅二著、本の風景社、2005年、3675円)

http://www.jswork.jp/syoten/bookview.asp?bookno=102780

2005-07-22(Fri):

最近、久しぶりに様々な分野の研究者の個人サイトをみている。そこで気づくのだが、1999年くらいから個人サイトを運営してきた若手の研究者の方が続々と著書を刊行している。察するに、この方々にはサイトの運営は研究の妨げになるという批判が繰り返し寄せられたことだろう。根拠のない批判を乗り越え、サイトの運営を継続し、かつ見事な研究成果を挙げていることが実にうれしい。気づいたものをときおり紹介していこう。

1997年からサイトを開設している平山眞さんが、学位論文をまとめた『巫女の人類学』を刊行している。平山さんのサイトは社会人類学に関する日本語で書かれた初めてのサイトだろう。

・『巫女の人類学』(平山眞著、日本図書センター、2005年、5700円)

http://www.mackharry.com/~hirayama/fujo-no-jinruigaku.html

2005-07-21(Thu): 故・菱木昭八朗さんのサイト

菱木スウェーデン法研究所を公開していた菱木昭八郎さん(元・専修大学教員)が2004年5月に亡くなっていたことを知る。現在、菱木さんのサイトは、ご遺族の了解のうえで、専修大学法学部広報委員会が管理しているという。ご遺族と同委員会、そしてなによりも菱木さんのおかげで、いまでも「日本語で読めるスウェーデンの法律」などのスウェーデン法の情報資源が公開されていることは喜ばしい。故人の冥福をお祈りするとともに、サイトを存続させた専修大学法学部広報委員会の見識をたたえたい。さて、故人のサイトの管理継承については非常に関心があるので、専修大学法学部広報委員会の関係者の方がいらっしゃれば、ぜひお知らせいただきたい。よく経緯をうかがいたいと思う。

・菱木昭八朗のホームページ

http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thj0090/