編集日誌

2006-02-09(Thu): 編集者が憧れだった頃 ?岩波書店の社員採用をみて

岩波書店が中途を含めた社員採用を行なっている。学生の頃は編集者を志望し、70社を受験したことを思い出す。就職活動をしたのは1996年から1997年。新規学卒者にとっては求人市場がどん底の時代だった。早いものでもう10年も経っている。ちなみに、岩波書店はあっさりと書類選考で不合格となり、23歳の若者としては相当なショックであった。今回の募集には応募資格が合致しているが、いまさらその気にはならないことに、10年という時間が過ぎたことを実感する。

ところで久しぶりに岩波書店のサイトをみて思ったのだが、たとえば『思想』のような硬派な雑誌には、大学を卒業するとすっかり縁遠くなってしまう。関心がないわけではないのだが、大学図書館に立ち寄ることがなくなると、物理的に雑誌を手にする機会が限られてしまうのだ。せめて毎号の目次を配信してくれるメールマガジンがあれば、状況はずいぶんと異なるのだが、岩波書店は実現してくれないだろうか。今回中途採用で入社されるであろう方々には、ぜひこういった読ませる工夫、買わせる工夫を心がけてほしい。

・岩波書店 - 2007年度定期採用(経験者含む)社員募集要項

2006-02-10(Fri): 国立国会図書館の意見表明 ?「国立国会図書館の役割について」

2006-02-02の編集日誌でふれた「国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に」の件で、国立国会図書館が「国立国会図書館の役割について」という記者発表を行い、即日その内容が同館のサイトで公開された。「国立国会図書館の役割について」の内容については、追ってコメントしたいが、まずは、報道と報道を受けて広がった反響に対して国立国会図書館が見解を表明したことはすばらしい。そして、その資料をインターネットで広く公開したことがさらにすばらしい。

ただし、欲をいえば「国立国会図書館の役割について」はPDF形式だけではなく、リンクしやすいhtmlで掲載してほしかった。近日中にhtml版が公開されることを期待しよう。

・2006-02-02の編集日誌

http://d.hatena.ne.jp/arg/20060204/1139046886

・国立国会図書館の役割について【PDF】

2006-02-11(Sat): 広がる図書館コンソーシアムの世界 ?横浜市内大学図書館コンソーシアム

全然気がつかなかったが、横浜市内大学図書館コンソーシアムというネットワークができている。横浜市内の14大学で結成された横浜市内大学間学術・教育交流協議会が母体となっているようだ。昨年末に「コンソーシアムを生かす図書館サイトへ?TAC加盟5大学図書館のサイト分析から」と題して、第30回多摩アカデミックコンソーシアム図書館員交流会(2005-12-09、於・東京経済大学)で講演する際に、図書館コンソーシアムの現状を調べたのだが、この横浜市内大学図書館コンソーシアムの存在には気がつかなかった。まだまだ修行が足りない……。

・横浜市内大学図書館コンソーシアム

http://library.shodai.ac.jp/Consortium/Consortium.htm

・横浜市内大学間学術・教育交流協議会

2006-02-12(Sun): 組織の歴史をつむぐ ?KEK史料室

高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「News@KEK」に「研究所の歴史をつむぐ ?史料室の活動?」という記事が掲載されている。記事を通して、同機構にはKEK史料室が置かれていることを知る。機関の歴史を保存する仕事にあたる部署が設けられていることに感動する。ぜひ実りあるものへと育ててほしい。

・「研究所の歴史をつむぐ ?史料室の活動?」

http://www.kek.jp/newskek/2006/janfeb/archives.html

・KEK史料室

http://www-conf.kek.jp/archives_office/index-j.html

・高エネルギー加速器研究機構(KEK)

2006-02-13(Mon): 英語発信の日本関係リソースを拾いたい ?The Mansfield Asian Opinion Poll Database

国際交流基金日米センターの「知的交流プロジェクトレポート」10に、「モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団のアジア世論調査データベース(AOPD)地域理解のための情報リソース」という記事が載っている。このような英語で発信されているが日本語話者にとって重要なリソースは数多くある。しかし、その情報がなかなか伝わってこない。さて、どうすればよいか。

ところで、モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団は、マンスフィールド元駐日大使夫妻によって設けられた財団という。日本の在外大使経験者で、このような財団を設けた人物はいるのだろうか。

・「モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団のアジア世論調査データベース(AOPD)地域理解のための情報リソース」

http://www.jpf.go.jp/j/cgp_j/global/project/in010.html

・国際交流基金日米センター

2006-02-07(Tue): 追悼・都留重人さん

経済学者の都留重人さんが亡くなった。93歳。

さて、著名な研究者が亡くなったときに、なかば習慣的に故人に関する情報がどれだけインターネットで公開されているかを調べている。故・都留さんの場合はどうだろうか。

まずみつかったのが、一橋大学経済研究所資料室による「2004年度『都留重人名誉教授』関連事業」というページだ。同研究所に設けられているらしいメモリアルコーナーの画像が多数掲載されている。また、同資料室のサイトからはリンクされていないようだが、資料室サイト内の検索機能を使うと、「都留重人先生略歴」というページがみつかった。故・都留さんは戦後まもなく同研究所の初代所長に、後には学長に就任するなど、一橋大学と縁の深かった方であり、同大学のサイトにこれらのコンテンツがあることはむしろ当然かもしれない。ぜひ今後充実させていってほしい。

2006-02-06(Mon): 労働図書館の小さな工夫

労働政策研究・研修機構(JILPT)が「労働図書館(資料センター)所蔵雑誌等の買取・交換について」という公告を出している(2006-02-01)。同機構にある労働図書館(資料センター)で不要となった洋雑誌、和雑誌、書籍の買取や交換を募集するものだ。申し込みには特に資格はなく、だれでも直接申し込める。

小さなことのように思えるが、注目したい取り組みだ。独立行政法人化されたとはいえ、同機構は経常収益の95%を運営費交付金、いわば国からの業務委託費でまかなっている(2004年度)。つまり税金によって運営されており、所蔵する書籍や雑誌の購入費や管理費も一定程度は税金によってまかなわれている。いってみれば、書籍や雑誌は国民の税金で備えられた公の財産である。それを処分する際に、今回のように

2006-02-05(Sun): 友がつなぐ故人の仕事 ?『アメリカ人であるとはどういうことか』刊行

『アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)という翻訳者が刊行された。この本は故・辻内鏡人さんが研究していたもので、今回辻内さんの友人である古茂田宏さんの手で翻訳された。辻内さんをご記憶の方はどれくらいいるだろうか。2000年の12月、自動車による傷害致死事件で亡くなったアメリカ史の研究者である。当時は一橋大学の教員だった。今回の翻訳は、残されたゼミ生が辻内さんの遺志を継いで発案し、それを古茂田さんが請け負ったという。

ごく一瞬ではあったが、故人にお世話になり大いに励まされた者として、翻訳書の刊行を喜びたい。本自体、非常に刺激的なタイトルであり、9・11事件以降のアメリカのあり方を考えるうえで最適なテキストの一つという評判を聞く。一人でも多くの方が手にしてほしい。

・『アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)

2006-02-04(Sat): 政治談話録音のインターネット公開を望む

年始早々の1月6日に国立国会図書館から、「「賀屋興宣政治談話録音」および「市川房枝政治談話録音」の公開(利用提供開始)について」というお知らせが出ている。政治談話録音とは、1961年から1987年まで、戦前・戦中・戦後の政治史に関して計10人にヒアリングした録音資料のことだ。原則的に録音から10年が経過すると、カセットテープと、テープから文字起こしをした「談話速記録」が公開される。今回、公開されたのは、第1次近衛文麿内閣と東条英機内閣で蔵相を務めた故・賀屋興宣さんと、婦人運動を起こし、後に参議院議員を務めた故・市川房枝さんの談話である。

さて、思うのだが、カセットテープと文字起こしをした「談話速記録」は国立国会図書館の東京本館憲政資料室で公開されるということだが、これこそインターネットで公開してもらえないだろうか。もはや歴史上の人物であるだけに、肉声を聞ける音声ファイルが公開されていると相当インパクトがあるはずだ。また、インターネットでの公開は一部にとどめ、DVDやCDにして販売できないだろうか。さまざまな制約があることは容易に想像できるが、ぜひ検討してほしい。

2006-01-31(Tue): ワーキングペーパーとディスカッションペーパーの違いとは

専門家の方々からすると、きわめて初歩的な質問で恐縮だが、「ワーキングペーパー」と「ディスカッションペーパー」は同じもの? 違うもの? それぞれどういう意味だろう。

真剣な疑問です。ご存知の方、教えてください。