編集日誌

2006-02-20(Mon): サンフランシスコ、シリコンバレーへ出張

来週の2/26(日)?3/5(日)まで、アメリカのサンフランシスコとシリコンバレーに出張の予定。基本的な毎日、サンフランシスコか、シリコンバレーで会議があるが、空き時間もある程度持てそうだ。ACADEMIC RESOURCE GUIDEの読者の方で、サンフランシスコ、シリコンバレーにお住まいの方がいれば、ぜひご連絡ください。

プライベートな時間が持てれば、岡部一明さん(東邦学園大学教員)が著書『サンフランシスコ発:社会変革NPO』で紹介していたSan Francisco Public Library, Main LibraryやIT活用で知られるSan Francisco Museum of Modern Artを訪れてみようと思っている。

・『サンフランシスコ発:社会変革NPO』(岡部一明、御茶の水書房、2000年)

http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/honsfnpo/

2006-02-19(Sun): 初の著書刊行を前にして

昨年から編集日誌で何度か話題にし、今年の年頭には新年の5つの抱負の1つとして、「『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)を出版する」ことを挙げた。

自分としても初めての著書となる『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)の原稿を一通り書き終えた。現在は版元となる築地書館での編集・校正段階に進んでいる。

まだ刊行されていないので気が早いのだが、ふとふりかえって考えた。

自分はこれまで研究者の著書について、ときには厳しい批評をしてきた。また、著書の内容を先行して公開する試みを紹介してきた。そして、誤字脱字などの修正情報や追加情報を公開するサポートサイトを批評してきた。こう考えると、自分が著書を刊行するいまこそ、これまで自分が批評してきた方々と同じ立場にわが身を置くべきではないだろうか、と。

正直にいえば、怖い。しかし、自分だけを安全なところに置いて安全な場所から他人を批判することはしたくない。そもそも、このACADEMIC RESOURCE GUIDEをそうした思いを一端にして創刊したものだ。

2006-02-16(Thu): 図書館サイトは、一工夫でさらに向上する

専門図書館のサイトをときおりみてまわるが、江戸東京博物館図書室のサイトが充実してきている。特にレファレンス事例集がいい。このレファレンス事例集は国立国会図書館が運営しているレファレンス共同データベースに参加しており、レファレンス共同データベースからも江戸東京博物館図書室のレファレンス事例を検索・閲覧できるようになっている。

話がそれてしまうが、レファレンス共同データベースは非常に意義のあるプロジェクトだと思うが、レファレンス共同データベースというサイト自体にはまだ課題が多い。まずはレファレンス事例を有する各地の図書館がもっと参加したくなるようなサイトづくり、極端なことをいえば、自館のサイトでのレファレンス事例の公開をとりやめ、レファレンス共同データベースにリンクしたくなるくらいのサイトをつくらなくては、画期的に便利なものとはならないのではないか。参加館を爆発的に増やすには、サイトのインターフェースや機能がもう一段便利で役に立つものにならなければいけないだろう。せっかくの大規模な事業であるだけに、現状にはもったいない、という印象を受けている。

さて、江戸東京博物館図書室の話に戻ると、随所にもう一工夫があれば、もっと役立つものになると感じさせられる。

2006-02-17(Fri): NHK放送技術研究所の存続問題

読売新聞の記事「技研は今後も必要…NHKデジ懇、与党改革論議けん制」(2006-02-17)で知ったが、「放送技術の開発を技研が中心となって担う現状に再考を促す政府・与党の改革論議」があるという。なお、技研とはNHK放送技術研究所のことである。過去の報道を調べてみると、「NHK技研の分離も」(デイリースポーツ、2006-02-09)が詳しく紹介しているように、竹中平蔵総務相の私的懇談会である通信・放送の在り方に関する懇談会(座長・松原聡さん)で、そのような議論が起きているという。冒頭の読売新聞の記事は、こうした流れを受けてのもので、デジタル時代のNHK懇談会の最近の会合での反発を紹介している。なにがよく、なにが悪いのか、簡単にわかるものでもないが、ここ数ヶ月から数年のスパンで巻き起こっているNHK批判とは区別した形で、慎重に議論が進んでほしい。

・「技研は今後も必要…NHKデジ懇、与党改革論議けん制」(読売新聞、2006-02-17)

2006-02-18(Sat): 放送大学のラジオ教材のインターネット配信に期待する

放送大学がラジオ教材のインターネット配信を実験していたらしい。放送大学のサイトで、「実験終了のお知らせ」をみて初めて知った。なるほど、考えてみれば、放送大学のラジオ教材はインターネットでの配信に適したコンテンツだ。今回の実験の成果をいちはやくまとめ、内外に公開し、早速来年度からでもラジオ教材をインターネットで配信してほしい。実験では利用対象者は放送大学の在学生に限られていたうえ、データを保存できないストリーミング形式での配信だったようだ。だが、「大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえる」という放送大学学園法第一条の精神に基づけば、放送大学への入学手続きの有無に関わらず、誰もがいつでもどこでも利用できるようにすべきだろう。先に挙げた放送大学学園法第一条は、実は全体ではこのような内容になっている。

「この法律は、放送大学の設置及び運営に関し必要な事項を定めることにより、大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえるとともに、大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とする」(第一条 目的)。

2006-02-15(Wed): Webからの剽窃レポート検出手法の実装と評価

2006-03-13(Mon)?2006-03-14(Tue)に開催される第46回人工知能学会先進的学習科学と工学研究会(SIG-ALST)(於・石川県/北陸先端科学技術大学院大学)の一般セッションに「Webからの剽窃レポート検出手法の実装と評価」(高橋勇、宮川勝年、小高知宏、白井治彦、黒岩丈介、小倉久和)というすごいタイトルをみつけた。内容が非常に気になる。発表者の一人である宮川勝年さんのサイトに「Web検索によるレポート剽窃チェック支援システム(お試し版)」がある。これに基づいた発表だろうか。

・第46回人工知能学会先進的学習科学と工学研究会(SIG-ALST)

http://risky.cs.inf.shizuoka.ac.jp/konishi/SIG-ALST/

・高橋勇さん

http://www.i.his.fukui-u.ac.jp/~takahasi/

2006-02-14(Tue): 「国立国会図書館の役割について」html版の公開を讃える

2006-02-10の編集日誌で言及した国立国会図書館の公表文書「国立国会図書館の役割について」が当初のPDF形式に加え、html形式でも公開されるようになった。この対応は本当にすばらしい。これで紹介やリンクがいっそうしやすくなり、せっかく公表した「国立国会図書館の役割について」もより広く知られることだろう。

国立国会図書館の独立行政法人化案については、明日あたりに一度まとめの記事を書こうと思う。

・2006-02-10の編集日誌

http://d.hatena.ne.jp/arg/20060215/1139939199

・国立国会図書館の役割について

http://www.ndl.go.jp/jp/information/press.html#060210

・国立国会図書館の役割について【PDF】

2006-02-08(Wed): 会ってみて考えが変わるということ ?常世田良さん

公共図書館が猫も杓子もという勢いで、ビジネス支援に取り組んでいることには長い間冷ややかだった。生き残りのために公共図書館がただいたずらに取り組んでいるという印象があるからだ。だが、先日パネリストとした参加した国立国会図書館の公開シンポジウム「デジタル時代における図書館の変革 ?課題と展望?」(2006-01-26(Thu)の編集日誌参照)で常世田良さん(日本図書館協会事務次長)のお話をうかがって少し考えが変わった。

常世田良さんは、ビジネス支援だけではなく、医療情報の提供や法律情報の提供を公共図書館が担っていく重要性を指摘していた。なるほど、そこまで領域が広がるのであれば、公共図書館の役割として論じることができるかもしれない。ただし、一方で法的な支援については、法務省と日本弁護士連合会(日弁連)が日本司法支援センター(法テラス)の設置をすでに法制化し、2006年度中に稼動する可能性が高い。また、医療分野では、がんを語る有志の会のような患者会によって日本がん情報センターの構想が進められている。それでは公共図書館はこのような動きとどれだけ共同歩調がとれるのだろうか。いままさにとろうとしているのだろうか、とっているのだろうか。次はそこを知りたい。

2006-02-09(Thu): 編集者が憧れだった頃 ?岩波書店の社員採用をみて

岩波書店が中途を含めた社員採用を行なっている。学生の頃は編集者を志望し、70社を受験したことを思い出す。就職活動をしたのは1996年から1997年。新規学卒者にとっては求人市場がどん底の時代だった。早いものでもう10年も経っている。ちなみに、岩波書店はあっさりと書類選考で不合格となり、23歳の若者としては相当なショックであった。今回の募集には応募資格が合致しているが、いまさらその気にはならないことに、10年という時間が過ぎたことを実感する。

ところで久しぶりに岩波書店のサイトをみて思ったのだが、たとえば『思想』のような硬派な雑誌には、大学を卒業するとすっかり縁遠くなってしまう。関心がないわけではないのだが、大学図書館に立ち寄ることがなくなると、物理的に雑誌を手にする機会が限られてしまうのだ。せめて毎号の目次を配信してくれるメールマガジンがあれば、状況はずいぶんと異なるのだが、岩波書店は実現してくれないだろうか。今回中途採用で入社されるであろう方々には、ぜひこういった読ませる工夫、買わせる工夫を心がけてほしい。

・岩波書店 - 2007年度定期採用(経験者含む)社員募集要項

2006-02-10(Fri): 国立国会図書館の意見表明 ?「国立国会図書館の役割について」

2006-02-02の編集日誌でふれた「国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に」の件で、国立国会図書館が「国立国会図書館の役割について」という記者発表を行い、即日その内容が同館のサイトで公開された。「国立国会図書館の役割について」の内容については、追ってコメントしたいが、まずは、報道と報道を受けて広がった反響に対して国立国会図書館が見解を表明したことはすばらしい。そして、その資料をインターネットで広く公開したことがさらにすばらしい。

ただし、欲をいえば「国立国会図書館の役割について」はPDF形式だけではなく、リンクしやすいhtmlで掲載してほしかった。近日中にhtml版が公開されることを期待しよう。

・2006-02-02の編集日誌

http://d.hatena.ne.jp/arg/20060204/1139046886

・国立国会図書館の役割について【PDF】