2006-01-14(Sat):

なかなかふれられないでいたのだが、ふれないままでは後悔する日が来ると思うので書いておこう。

環境問題の研究者・中西準子さんが同分野の研究者・松井三郎さんの国際シンポジウムでの報告内容を個人ホームページで批判したところ、名誉毀損として訴訟を起こされたという事件が昨年起きた。すでに裁判が始まり、口頭弁論が何度か開かれている。

驚き、そして怒りを感じている。なぜ、批判された松井さんはいきなり訴訟という形に持ち込んだのだろうか。なぜ自分の個人ホームページで反論を公表しなかったのだろうか。研究者という職業人が「対抗言論」(More Speech)に訴えることなく、訴訟に持ち込んだことが哀しい。自由な言論や論争に「萎縮効果」(Chilling Effect)を引き起こす訴訟を起こしたことが哀しい。

研究者の個人ホームページでの活動に注目してきた私としては見過ごすことのできない事件である。自分自身、裁判の動向に注視するとともに、この事件の存在を本誌を通して広くアピールしたいと思う。

誤解のないように申し添えておこう。正直にいって、名誉毀損にあたる行為があったのかどうか、私にはほとんど関心がない。私が問題視しているのは、「対抗言論」(More Speech)を経ることなく、訴訟に持ち込むという行為である。なぜ松井さんがこのような行為に及んだのか、その理由をぜひ知りたい。松井さんにはぜひこの点を自ら明らかにしてほしい。訴訟を起こした以上、松井さんにはその義務があるだろう。

この問題について詳細は「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団のサイト」がよくまとめている。訴えられた中西さんを支援する趣旨のサイトではあるが、事実関係を公平に扱っているのではないか、そのような印象を受ける。

本誌を読む研究者の方々は同業者として、この問題をどのようにとらえるだろうか。ぜひご意見をいただきたい。

・環境ホルモン濫訴事件:中西応援団のサイト

http://www.i-foe.org/

・中西準子のホームページ

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/

・京都大学地球環境学大学院地球環境学堂環境調和型産業論分野松井研究室

http://enfitwww.env.kyoto-u.ac.jp/