2006-01-19(Thu):

英国滞在4日目。大英博物館(British Museum)や英国図書館(British Library)を訪れる。大英博物館では、館員の方に所蔵品検索システムCOMPASSの説明をしていただく。事前に連絡したわけではなく、その場でお願いをしたのだが、快く対応していただけた。もう少し詳しい説明を聞きたい気はしたが、そこはやむをえない。

さて、COMPASSは館内用と館外用(インターネット公開版)にわかれているのだが、気づいた範囲でメモしておこう。

まず「Credits」があるのがよい。このデータベースの開発・公開に貢献した人々が記録されている。日本の博物館や美術館のデータベースでは、このようなクレジット表記はあまりみかけないが、デジタル資料に正当な価値を与えるうえで欠かせない配慮だろう。

館外用(インターネット公開版)には見当たらなかったが、館内用のCOMPASSには、「Further Development」と題して、今後の開発予定を記してあった。実際に博物館内で利用すして感じたことだが、広大な大英博物館である。検索した所蔵品のページを印刷して、そのまま展示品の前まで持って行きたくなる。おそらくこのような要望が多いのだろう。「Further Development」には、将来的に印刷機能を備える予定であることが記されていた。いまできないことを将来的に実現する予定があるのか、そしてその実現はいつになるのか、という見通しが語られていると、利用者の意識を現状に対する不満から将来への期待へと転化できる。ささいなことのように思えるかもしれないが、説明のよいあり方と思う。

これも館外用(インターネット公開版)には見当たらないが、館内用のCOMPASSには、「Further Information」という欄がある。ここでより詳しい情報を必要とする際は、ミュージアムショップや閲覧室(Reading Room)を利用するよう勧めている。館内の施設が有機的に結び付けられている。

データベースの中身については、その所蔵品が置かれている展示室が明記されている点に感心する。たとえば、「The Rosetta Stone」の場合、ページ中央部に「Room 4, Egyptian sculpture, centre」と記されており、リンクとなっている「Room 4」をクリックすると展示室4の位置を示す館内図が表示される。このようなナビゲーションがあると、館内で利用する端末を有効に活用しながら、収蔵品をみてまわることができる。実際の閲覧に役立てることができてこそ、収蔵品のデータベースには意味があることを実感する。

以上は電子化に関連する点だが、これ以外に感心したことが2つある。一つは展示室内の随所にその室内の展示内容に関連する書籍の紹介が掲示されていたことだ。そして、その書籍はミュージアムショップで購入できるという一文が添えられている。関連性の高い情報を示すことで書籍を売り上げる工夫に感心した。もう一つは現在開催中の特別展「Samuel Palmer vision and landscape」のチラシがロンドン市内のパブのカウンターに置かれていることだ。それだけパブが市民生活に根ざしているという一面と、大英博物館がPRに力を入れているということだろうか。

以上、長くなったが、まずはぜひ大英博物館のサイトと日本の4つの国立博物館のサイトを比較してほしい。

その他、今日訪れたのは、ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)、国会議事堂(Houses of Parliament)、首相官邸(10 Downing Street)など。学生時代に政治学を学んだ身としては、国会議事堂や首相官邸をみただけで、ここが英国立憲政治の舞台か、と感動を覚えた。

なお、英国図書館については別途ふれよう。


・大英博物館(British Museum)

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/

・COMPASS

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/compass/

・About COMPASS - Credits

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/compass/ixbin/hixclient.exe?_IXDB_=compass&search-form=graphical/help/about.html&submit-button=search#credits

・British Museum Company Ltd(The British Museum Shop)

http://www.britishmuseum.co.uk/

・Reading Room

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/greatcourt/read.html

・Samuel Palmer vision and landscape

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/palmer/

・東京国立博物館

http://www.tnm.go.jp/jp/

・京都国立博物館

http://www.kyohaku.go.jp/

・奈良国立博物館

http://www.narahaku.go.jp/

・九州国立博物館

http://www.kyuhaku.jp/

・独立行政法人国立博物館

http://www.natmus.jp/

・英国図書館(British Library)

http://www.bl.uk/

・ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)

http://www.westminster-abbey.org/

・国会議事堂(Houses of Parliament)

http://www.parliament.uk/

・首相官邸(10 Downing Street)

http://www.number-10.gov.uk/