情報処理学会、コンピュータ博物館の設立を提言

情報処理学会が経済産業省に対してコンピュータ博物館の設立を提言した(2007-02-02)。ウェブ上ではなく、リアルなモノとしてのコンピュータを保存する必要性を説いた上で、コンピュータの体系的な保存が同学会がウェブで展開する「コンピュータ博物館」に留まっている日本の現状と、リアルな施設を有する海外の現状を紹介し、最後に次のように提言している。

わが国にコンピュータが誕生してからちょうど50年が経過し、初期の機器で保存されているものは極めて僅かになっている。古い機器を保存しておくことは、企業にとっても大学や研究機関にとっても、スペースや管理上の負担が大きく、数年前まで残っていた機器が所轄機関の移動や関係者の退任等に伴って廃棄されてしまったという話をあちこちで耳にする。初期の機器の開発に携わった研究者、技術者、利用者は既に高齢に達し、職を退き、あるいは他界した者も少なくない。関係者が不在になるとともに現在辛うじて残っている機器も散逸の危機に晒されている。今始めなければ、コンピュータ博物館の資料集めはますます困難になり、博物館を作ることは絶望的になる。世界最先端のIT国家を目指す日本としては悔いを千載に残すことになろう。

国、地方、業界、学会が連携して、公的なコンピュータ博物館を早期に設立することを強く望むものである。

なお、同学会の提言の中でもふれられているが、日本国内でコンピュータの実物を保存しているのは、東京理科大学近代科学資料館など、ごくわずかに限られている。同学会がウェブ上に設けている「コンピュータ博物館」の実物の所在地情報によれば、他に国立科学博物館や総務省統計局統計資料館のような国立施設、東芝科学館やNTT技術史料館のような企業博物館、そして富士通や日立製作所のようなメーカー企業で、歴代コンピュータの実物が保存されている。

・コンピュータ博物館設立の提言(情報処理学会、2007-02-02)

http://www.ipsj.or.jp/03somu/teigen/museum200702.html

・コンピュータ博物館

http://www.ipsj.or.jp/katsudou/museum/

・東京理科大学近代科学資料館

http://www.sut.ac.jp/info/setubi/museum.html

http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/infoserv/museum/

・実物の所在地情報(情報処理学会 - コンピュータ博物館)

http://info.ipsj.or.jp/katsudou/museum/location/location.html

・総務省統計局統計資料館

http://www.stat.go.jp/training/toshokan/5-1.htm

・東芝科学館

http://kagakukan.toshiba.co.jp/