国際交流基金、「日本語でケアナビ」を公開

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国際交流基金関西国際センターが「日本語でケアナビ」を公開した(2007-07-06)。看護や介護に関わる人向けの和英・英和辞書となっている。「仕事で使える」「気持ちを伝える」「くらしに役立つ」といったシチュエーション別に約5500の語彙や表現、約2000の例文がまとめられている。「サイトの概要」に記されている「看護や介護の仕事をする人たちの日本語学習のため」という目的はわかりづらいが、「詳しい説明」では狙いとするところが明瞭に述べられている。

「日本語でケナナビ」は日本で看護師・介護職従事者として就労しようとする日本語学習者の支援と、その日本語教育援助者の支援のために、国際交流基金関西国際センターが制作し、インターネットサイトで公開する和英/英和辞書です。

・詳しい説明

http://www.nihongodecarenavi.jp/ja/ja_about_outline2.html

間近に迫ってきた看護・介護分野における外国人労働者の受け入れを見据えてのサイトということだろうか。

なお、サイトは日本語・英語の両方で提供されており、モバイル版も公開されている。また、「制作者について」のページには、サイト制作に関わったスタッフが明記されている。

  • コンテンツ作成
    • 上田和子(日本語教育専門員)
    • 田中哲哉(日本語教育専門員)
    • 嶋本圭子(非常勤講師)
    • 前田純子(非常勤講師)
    • 下平菜都子(アシスタント)

(以上、国際交流基金関西国際センター)

  • システム開発
    • 加藤顕充(エコノシス システム設計事務所)
  • グラフィック・イラストレーション
    • office purechild
  • ディレクション・コーディング
    • 角南北斗(design719)
  • 英文翻訳および校閲
    • 日本英語医療通訳協会 会長 水野真木子
    • クリストファー・キーチ
    • 浜田盛男(国際交流基金関西国際センター、日本語教育専門員)
  • 制作顧問
    • 宮地裕(大阪大学名誉教授)
    • 下村克朗(国立循環器病センター、元病院長)
  • 制作協力
    • 国際交流基金マニラ事務所(飯澤展明、アティーナ・カバゾール、和栗夏海)、ジョイ・デヴェラ、野村愛、ファラ・クナナン、ジュビリー・ナン、シェイニディ・パレニョ、フロリンダ・パルマヒル、ロエリア・アルバレス、リア・パルスラム、新見康之、フランチェスカ・ヴェントゥーラ、ジェローニモ・ブリーヨ、本田隼人、小野田恵子、パメラ・パルマ、佐藤修

・制作者について

http://www.nihongodecarenavi.jp/ja/ja_about_staff.html

実際の制作過程については、国際交流基金のブログ「地球を、開けよう。」に2回に渡って掲載された開発秘話に詳しい。この内容を踏まえつつ、感心した点と課題を感じた点をそれぞれ一つだけ述べておきたい。

「日本語でケアナビ」は日英両語で提供されている。各ページの右上に日本語のページであれば「English」という画像が、英語のページであれば「日本語」という画像があり、ここをクリックするともう一方の言語版へと移動する。感心するのは日本語と英語のページがきちんと対応関係にあることだ。たとえば、

・50音の表でさがす

http://www.nihongodecarenavi.jp/ja/ja_50on_top.html

のページ右上にある画像「English」をクリックすると、

・50-On

http://www.nihongodecarenavi.jp/en/en_50on_top.html

へと移動する。英語版を持つサイトは増えているが、ページ間の一対一対応ができているサイトは極めてまれだ。制作スタッフが一手間かけたこの一工夫は、

看護や介護の分野だけでなく、日本で生活する人や日本人と一緒に働く人、いろいろな人に役立つのではと期待してます。だから、「看護・介護」という先入観なく、みなさんに使ってほしいと思います。

・「新提供の日本語教育支援ツール『日本語でケアナビ』(前編)」(地球を、開けよう。、2007-07-18)

http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20070718

という願いを叶える一助となると思う。

逆に課題を感じるのは、「日本語でケアナビ」の売りの一つである「タグナビ」の機能である。

・タグナビでさがす

http://www.nihongodecarenavi.jp/ja/ja_tag_top.html

そもそもタグづけ自体がまだごく一部の理解に留まっているのに加えて、「日本語でケアナビ」における「タグ」はサイト制作者側だけが付与する形をとっており、ブログやソーシャルブックマークで行われているタグづけ(タギング)とは意味が異なる。「日本語でケアナビ」での探し方を広げようという意図はわかるが、現時点ではウェブのサービスにおいて重要な直感的な理解のしやすさを欠いている。Web2.0の文脈で用いられる「タグ」と、「日本語でケアナビ」でいうタグとでは意味が異なることも考えると、名称を含めた改善が必要と思う。

・日本語でケアナビ

http://www.nihongodecarenavi.jp/

・「「日本語でケアナビ」サイト 公開のお知らせ」【PDF】(2007-07-06)

http://www.jpf.go.jp/j/about_j/press/dl/0272.pdf

・国際交流基金関西国際センター

http://www.jpf.go.jp/j/kansai/

・「新提供の日本語教育支援ツール『日本語でケアナビ』(前編)」(地球を、開けよう。、2007-07-18)

http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20070718

・「『日本語でケアナビ』開発秘話(後編)」(地球を、開けよう。、2007-07-20)

http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20070720

・国際交流基金

http://www.jpf.go.jp/

・「すべての学術資源にクレジットを入れよう」(編集日誌、2006-11-29)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20061201/1164907865