2005-02-25(Fri):

創価大学の中野毅ゼミによる「In Memoriam: Dr Bryan Wilson ブライアン・ウイルソン先生の思い出」をみて、何年も前に次のようなこと書いた記憶がよみがえった。やや長いが引用しよう。

最近、早川庄八氏(日本古代史)という尊敬する歴史学者の死に遭遇しました。その著書を通して一方的に敬意を抱いていた一読者に過ぎない編集子ですが、氏の死にはやはり大きなショックを受けました。しかし、編集子にさらに大きなショックを与えたのは、通常の訃報欄のみという早川氏の逝去に対する新聞の扱い方でした。残念でもあり、また遺憾でもありますが、これが現在の日本における学術研究の位置づけなのでしょう。このような状況のなかにあって、唯一の救いだったのが早川氏がこの春まで在職していた名古屋大学日本史学研究室が、WWW上でいち早く早川氏の逝去を告げたことでした<http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/~nihonshi/hayakawa.html>。WWWの利用に積極的な同研究室の面目躍如の観がありました。この一件を通して、良質なObituary pageの必要性をあらためて感じる秋の日々です。

6年ほど前の本誌009号(1998-10-27、1181部)の編集日誌に書いたものだ(いま読むと、"Obituary"という単語の用法が間違っているように思う)。ふと、気になり、過去の編集日誌から、「In Memoriam: Dr Bryan Wilson ブライアン・ウイルソン先生の思い出」のようなページがないか、探してみた。

2003-10-24(Fri):「追悼 菊地正幸先生」。東京大学地震研究所による。

http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/kikuchi031018.html

2003-03-23(Sun):紹介が遅くなったが、月曜社がモーリス・ブランショ追悼を公開している(2003-02-28)。「ここに開かれる追悼ページは一過性のものではなく、追悼することをやめない「場」です」という決意表明が印象的。せめて著者が亡くなったときくらい、出版社はこういう仕事ができなくては駄目だと思う。ブランショの日本での版元のうち、なんらかの反応を示している出版社は他に1社あるが、他の数社は……。

・モーリス・ブランショ追悼

http://www.getsuyosha.jp/kikan/blanchot/

・月曜社

http://www.getsuyosha.jp/

2003-01-27(Mon):「後藤総一郎先生・追悼記事」。後藤さんの島崎藤村論だったか、夜明け前論だったか、はたまた国学論だったか、学生時代に読んで感動した覚えがあるが、論文名を思い出せない。

・後藤総一郎先生・追悼記事

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ri03034/

やや異なるが、こういう記事もあった。

2002-12-06(Fri):山口県立大学を足場に活発な発信に取り組んでいた清原万里さんが亡くなったことを知る……。ご冥福をお祈りしたい。清原さんを初めて知った方もいるだろ。ぜひ清原さんが編集・発行していたメールマガジン「Cherry Press」に目を通して欲しい。これまでの貴重な発信が消えてしまうことがなければよいのだが……。同僚の方がバックアップをとったようだが、山口県立大学には清原さんのサイトを永続的に保存する方向で検討して欲しい。それが学部のサーバー管理者として全力を注いできた清原さんへの手向けではないだろうか。

・きよはらくんの個室「それがどうした」

http://www.cis.ypu.jp/~kiyohara/personalweb/

・Cherry Press

http://www.cis.yamaguchi-pu.ac.jp/~kiyohara/personalweb/cherry/cherrymenu.html

幸いサイトはまだ残っている。

ほかに、北海道大学スラブ研究センターが秋野豊氏追悼ページを公開している。

・秋野豊氏追悼ページ

http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/akino/akino.html

・北海道大学スラブ研究センター

http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/

故人を追悼し、その業績をふりかえる仕事がインターネットでどのように展開されていくのか、引き続き関心を寄せていきたい。一つのヒントは、モーリス・ブランショ追悼の公開に際して、月曜社が記した「ここに開かれる追悼ページは一過性のものではなく、追悼することをやめない「場」です」という言葉にあると思う。私は出版業界におそらく辛いほうだろうが、月曜社という出版社とそこで活動する編集者の存在には、かすかな光を感じる。まだ知名度は決して高くないだろうが、読者の方々にはぜひ一度サイトを訪問してほしい。

・月曜社

http://www.getsuyosha.jp/

なお、冒頭でふれた中野毅ゼミによる「In Memoriam: Dr Bryan Wilson ブライアン・ウイルソン先生の思い出」は以下のサイトを参照。

・In Memoriam: Dr Bryan Wilson ブライアン・ウイルソン先生の思い出

http://wilson.seesaa.net/

・中野毅ゼミ

http://nakanozemi.fc2web.com/