国際日本文化研究センター、米国議会図書館所蔵承応版源氏物語データベースを公開

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国際日本文化研究センターが米国議会図書館所蔵承応版源氏物語データベースを公開した(2007-12-04)。このデータベースは米国議会図書館が所蔵する承応3年(1654年)に刊行された「絵入源氏物語」(承応版源氏物語)の本文54冊、注釈書6冊のすべてのページを画像で電子化したという。

同じ承応版の「絵入源氏物語」が1999年に国文学研究資料館データベース古典コレクションの一つとして岩波書店からCD-ROMとして刊行されているが、

・『源氏物語(絵入)〔承応版本〕CD-ROM』(中村康夫、立川美彦、田中夏陽子監修、岩波書店、1999年、12600円)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4001300931/arg-22/

この米国議会図書館所蔵承応版源氏物語データベースの登場により、誰もが無償で利用できるようになっている。喜ぶべきことだろう。

しかし、源氏物語に関するコンテンツが増えたため、源氏物語の専門家ではない限り、それぞれのデータベースにどのような意味があるのか、見当がつかない状況になっている。源氏物語のデータベースといえば、いま思いつくだけでも

・九州大学所蔵「古活字版源氏物語(無刊記)」データベース(九州大学附属図書館)

http://herakles.lib.kyushu-u.ac.jp/genji/index.htm

・源氏物語の世界(渋谷栄一さん)

http://www.sainet.or.jp/~eshibuya/

・『源氏物語』古注釈データベース(伊藤鉄也さん他)

http://world.nijl.ac.jp/~t.ito/kinoshita/

・江戸初期刊無無刊記整版本『源氏物語』画像データベース(九州大学附属図書館)

http://herakles.lib.kyushu-u.ac.jp/genji2/index.htm

がすでにある。それぞれのデータベースにはどのような特徴があり、どのように使い分けるべきなのか、源氏物語研究者にはわかりやすい解題をまとめてほしい。

おりしも2008年は源氏物語千年紀ということで、すでに様々な事業が催され、今後も予定されている。

・源氏物語千年紀委員会

http://www.2008genji.jp/

・源氏物語千年紀事業?紫のゆかり、ふたたび?

http://www.pref.kyoto.jp/2008genji/

研究においても、2007年度から2010年度にかけての4年計画で行われる「源氏物語の本文資料の再検討と新提言のための共同研究」が実施されている。科学研究費によるこの研究では、

  1. 源氏物語本文のデータベース構築(2007年度?2010年度)
  2. 構築過程でシステムを設計(2007年度?2008年度)
  3. 公開用閲覧検索システム開発と運用(2009年度?2010年度)
  4. 国文学研究資料館との連携をはかり情報を発信(2010年度)

を予定しているという。ぜひこの計画の中に、いまインターネットで公開されている様々な源氏物語の本文データベースの関係整理を加えてほしい。専門家以外にもわかりやすい解題があれば、様々な本文データベースが専門家以外の人々にも活用され、それがまた源氏物語、そして源氏物語研究への理解と支持につながっていくのではないだろうか。

・米国議会図書館所蔵承応版源氏物語データベース

http://shinku.nichibun.ac.jp/genji/

http://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/genji.html

・国際日本文化研究センター

http://www.nichibun.ac.jp/

・「源氏物語の本文資料の再検討と新提言のための共同研究、サイトを公開」(新着・新発見リソース、2007-10-29)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20071029/1193587552

・「京都外国語大学付属図書館、「世界で読まれる源氏物語」を公開」(新着・新発見リソース、2007-12-02)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20071202/1196603301