2009-03-27(Fri): Japanese Company Histories Interest Group MeetingとNCC Open Meetingへの参加メモ+シカゴ散策少々

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さて、もう前日のことだが、

2009-03-26(Thu):

2009 AAS Conference Meetings of the Council on East Asian Libraries (CEAL) and Related Meetings, Committee on Japanese Materials (CJM)

(於・アメリカ/シカゴ)

http://www.eastasianlib.org/CEAL/AnnualMeeting/CEALMeetingSchedule/CEAL2009.htm

で自分の講演を終えた後は、

  • Japanese Company Histories Interest Group Meeting
  • NCC Open Meeting

に参加した。以下は自分のためのメモとしてつづっておく。

Japanese Company Histories Interest Group Meetingは、グッド長橋広行さん(ピッツバーグ大学東アジア図書館)ら、北米のライブラリアンを中心とした社史研究グループの報告を聴いた。

考えてみると、これまで紹介したことがなかったかもしれないが、このグループによる

・社史Wiki(The Japanese Company Histories (Shashi) Wiki)

http://library.osu.edu/wikis/shashidb/

は必見。

私もかねがね気になっていたことがあったので質問してみた。質問は、社史出版の紙媒体から電子媒体への移行、特にウェブでの公開への移行が見られる状況にあって、今後は社史のウェブアーカイブが必要ではないか?という趣旨。日本に限らず、突如として企業が倒産し、サイトも閉鎖される事例、あるいは合併や統合によって企業サイトが消滅することが少なくない。そろそろ、社史ウェブアーカイブの設立を考えるときなのだと思う。この分野では、それなりの知識と経験があるので、ぜひグッド長橋広行さんたちの試みに加わっていきたいと思う。

さて、その後はNCC Open Meetingに参加した。13時から15時にかけてという長丁場の会議だったが、私の理解では、NCCの将来像を関係者全員で考えていくためのセッションであったように思う。ライブラリアンと教授陣の距離間をどのように縮めていくかという問題をはじめ、個々の論点のいずれも興味深かったが、一番感心したのは、議論の進行はもとより、会議の持ち方の巧さだ。

全体的な議事進行では、今回ようやく初めてお目にかかれたバゼル山本登紀子さん(ハワイ大学ハミルトン図書館)が中心的な役割を果たしていたが、登壇者の意見を聴衆が拝聴するという構図を避け、すべての参加者が議題を我が事としてとらえるように会議が非常に巧妙に設計されていたように思う。

以下は自分として大いに勉強になった点。今後の様々な場で生かしていきたい。

最初に黄色い紙が渡され、そこには、

Please share your thought with NCC to help shape future programs

と書かれている。つまり、会議の中で自分の考えをこのシートに記入していくというスタイル。そして、バゼル山本登紀子さんが、この方式を指して、"Analog Version of Twitter"という言葉で笑いを誘っていたのがよかった。そもそも使っている・使っていないに関わらず、Twitterの存在自体は知っているライブラリアンンが多いことに感心するし、同時にこの方式の具体的なイメージが非常に明確に伝わってきた。

スピーチの中では、

  • Why the NCC exists?
  • What the NCC does?
  • How the NCC operate?
  • How can you get involved?
  • How do we move to the future?

という問いが発されたのだが、この順序にも非常に感心させられた。組織の根源を大胆に問いつつ、徐々にただ組織という大きな話から、ではその構成員である一人ひとりが何ができるのかを問うようになっている。つまり、NCCという三人称、Youという二人称、Weという一人称へと徐々に主語が変化している。なるほど、このようにしてメンバーのコミットメントを高めていくわけだ。これは非常に勉強になった。

しかし、あらためて日米のライブラリアンの間にある圧倒的な差を感じる。昨日も書いたように全体的な平均値の違いが大きい。象徴的に感じたことがある。私の経験上の話だが、日本のライブラリアンの多くは自分の名刺をつくっていない。あるいはつくっていても、日常的に持っていない。他方、この3日間、60人以上の方々と名刺交換したが、あいにく名刺を切らしてしまったという方はいても、そもそも名刺をつくっていないという方は一人もいなかった。いただいた名刺を拝見すると、「上級司書」や「スペシャリスト」という肩書が数多く見受けられる。たかが名刺、されど名刺。こういったところに専門家としての自覚の有無、そしてそもそも専門家を名乗る根拠の有無がよく表れているように思う。

閑話休題。この話は、ライブラリアンに限らず、大学院生にも感じる普遍的な話なので、また別に論じる機会を持とう。

さて、以上は前日の話であり、この日は在シカゴの実質的な最終日だったので、ほぼ一日を市内散策にあてた。訪れたのは、

・Harold Washington Library Center(ハロルド・ワシントン図書館)

http://www.chipublib.org/branch/details/library/harold-washington/

・The Art Institute of Chicago(シカゴ美術館)

http://www.artic.edu/aic/

の2ヶ所。ハロルド・ワシントン図書館のことは別途まとめるとして、シカゴ美術館とシカゴの街並みの紹介を少々。

シカゴ美術館の概観については、

・「大舞台を前にシカゴ周遊?シカゴの姉妹都市広報、シカゴ建築財団とシカゴ美術館のグッズ、ミレニアムパークでのインタラクション、ICUプチ同窓会のことなど」(編集日誌、2009-03-25)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090327/1238108164

をご覧あれ。

また、

・Yahoo!百科事典 - シカゴ美術館

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%82%B4%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8/

・Wikipedia - シカゴ美術館

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%82%B4%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8

を読み比べてもいいかもしれない。

入口の前にあるライオンが個人的にはベスト作品。クリスマスなど、時期によっては仮装しているそうだ。二頭のライオンは威嚇と威厳だったか、左右でモチーフが異なる。自分は向かって左にいる威嚇のほうが好き。マンガ『動物のお医者さん』に出てくるハスキー犬「シーザー」のような愛嬌を感じる。

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さて、展示だが、まずはシカゴ美術館が誇る名品であるスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』とカイユボットの『パリ、雨の日』あたりをみる。

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その他、2時間あまりの間に常設展をざっとみたのだが、人出の少なそうな時間帯を狙ってお昼時に出かけたせいか、写真に食べ物モチーフが多い。ひとえにお腹がすいていたからだろう。

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その後、市内を散策しながらホテルに戻り、会場を再訪。学術出版によるブース出展をみてまわり、最終日が終わっていく。以下、シカゴの街角アートや高層建築の数々。

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ちなみに今年は同じくシカゴで、

・ALA 2009 Annual Conference

http://www.ala.org/ala/conferencesevents/upcoming/annual/

が開催されるという。以上の記述がALAの年次大会に参加しようという方々の参考になれば幸い。